妊婦さんに接種することによって、母体のRSウイルスに対する中和抗体を増やし、胎盤を通じて母体から胎児へ中和抗体が移行することで、乳児におけるRSウイルス感染を予防するためのワクチンです。
7,420人の妊婦を対象とした第Ⅲ相臨床試験では、アブリスボ®の接種により重度のRSウイルス関連下気道感染症は生後90日で約80%、生後180日で約70%減少しました1,2)。アブリスボ®接種による早産率や低出生体重児の出生率の有意な増加はなく、母体の重篤な有害事象も増加しませんでした1,2)。この臨床試験には462人の日本人妊婦も参加しており、同様の有効性と安全性が示されています3)。
アブリスボ®は、少なくとも出生14日前に接種されれば、出生直後からRSウイルス関連下気道感染症の予防効果が期待できます。そのため、想定される出産時期から2週間以上前の接種をご考慮ください。出産より14日から29日前の接種よりも、出産より30日以上前にアブリスボ®を接種したほうが母児の中和抗体比が高いという報告があります2)。以上のことから、可能であれば出産予定時期より30日以上前の接種をご検討ください。
アブリスボ®を接種する妊娠週数としては、妊娠28週から36週を推奨します。アブリスボ®は妊娠24週から36週まで接種が可能ですが、28週未満での接種よりも28週以降の接種のほうが、新生児・乳児のRSウイルス感染症の予防効果が高い可能性があります1,3)。
妊娠32週から36週での接種を推奨する国もありますが、妊娠28週以降の接種での早産率や低出生体重児の出生率の有意な増加は報告されていません1,3)。
引用文献
1)Kampmann B, et al. Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants. N Engl J Med. 2023; 388(16): 1451-1464.
2)Simões EAF, et al. Efficacy, Safety, and Immunogenicity of the MATISSE (Maternal Immunization Study for Safety and Efficacy) Maternal Respiratory Syncytial Virus Prefusion F Protein Vaccine Trial. Obstet Gynecol. 2025; 145(2): 157-167.
3)Otsuki T, et al. Efficacy and safety of bivalent RSVpreF maternal vaccination to prevent RSV illness in Japanese infants: Subset analysis from the pivotal randomized phase 3 MATISSE trial. Vaccine. 2024; 42(22): 126041.
